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魚醤 (Fish Sauce) とは?

魚醤 (Fish Sauce) が使われる主な国や地域: 東南アジア

魚醤(ぎょしょう)は、魚を塩漬けにして発酵させた液体調味料で、英語ではFish Sauce、仏語ではNuoc-mâmと呼ばれます。主に東南アジア料理に使用され、その強い風味と塩味が特徴です。魚醤は料理に深い旨味を与え、タイ、ベトナム、フィリピンなどの各国料理で広く利用されています。

魚醤の歴史と言葉の由来

魚醤の歴史は非常に古く、紀元前4世紀には古代ギリシャで「ガルム」と呼ばれる類似の調味料が使用されていた記録があります。東南アジアでは、紀元前1世紀頃から魚醤の生産が始まったとされ、地域の食文化に深く根付いています。魚醤という名称は、「魚」を意味する「魚」と「醤油」を意味する「醤」から来ています。東南アジア各国では、魚醤はそれぞれ独自の名前で呼ばれています。例えば、タイでは「ナンプラー」、ベトナムでは「ヌクマム」、フィリピンでは「パティス」と呼ばれます。

魚醤の種類と製造方法

魚醤には多くの種類があり、それぞれの国や地域で独自の製法と風味が存在します。一般的な製造方法は、魚(通常は小魚やアンチョビ)を塩漬けにし、発酵させることです。魚と塩を層状に積み重ねて大きな容器に入れ、数ヶ月から数年かけて自然発酵させます。この発酵過程で、魚のタンパク質が分解され、独特の風味と旨味が生まれます。発酵が完了した後、液体を取り出し、ろ過してボトリングします。タイのナンプラーは透明で強い塩味が特徴で、ベトナムのヌクマムは甘みがあり、フィリピンのパティスはより濃厚で強い風味が特徴です。

現在の使われ方

魚醤は東南アジア料理で広く使用されており、料理に深い旨味と塩味を加えるための基本的な調味料です。タイ料理では、トムヤムクンやパッタイ、ソムタムなどに使用されます。ベトナム料理では、フォーやバインセオ、ヌクチャムと呼ばれるディップソースにも魚醤が欠かせません。フィリピン料理では、シニガンやアドボなどの伝統料理に使用されます。

魚醤はその強い風味から、少量で料理に大きなインパクトを与えることができます。マリネ液やドレッシング、炒め物のソースとしても利用され、料理に深みとコクを加えます。また、魚醤は発酵食品としての特性から、消化促進や腸内環境の改善などの健康効果も期待されています。ただし、塩分が高いため、使用量には注意が必要です。

このように、魚醤は東南アジアの伝統的な調味料であり、地域の料理に欠かせない存在です。その独特の風味と多用途性により、料理の幅を広げ、深い味わいを楽しむための重要な役割を果たしています。



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